風に恋して
リアは頷いてレオに身体を寄せた。レオもリアを引き寄せてくれる。

「甘えたになったな?」

レオがクスッと笑ってリアの頬を撫でる。

「ダメ、ですか?」
「いや……構わない」

ギュッと……レオの腕に力がこもる。リアもそれに応えるようにレオの背中に腕を回した。

静かな部屋、リアの耳にはレオの鼓動だけが聴こえる。沈黙は全く気にならない。

「怖かった……」

リアがポツリと呟く。

「外で休んでいたとき……ユベール王子とお話をしたんです」
「ユベール王子と?」

レオが硬い声を出す。

「はい。ルミエール王国にクラドールとして来ないかと。俸給ははずむから、と。それに、地位が欲しいなら……っ」

側室にしてやる、と。

それを口に出すのが憚られてリアは黙り込む。

「言わなくていい。それで、その後は……?何があった?」
「お断りしました。そうしたら、冗談だって……わ、たし、どこまで信じていいのかわからなくて、それで……」
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