風に恋して
――中庭に出ると少し風が吹いていて、ひんやりとした空気がレオの肌を撫でた。リアはレオの後をついて、いつも本を読む木の側までやってくる。

そこで、レオは振り返ってリアと向き合った。

「リア」
「う、ん」

少し、声が硬くなったかもしれない。いつもと様子の違うレオに、リアは戸惑っているようだった。

「俺――っ……い、や……」

レオは言いかけて、視線を逸らした。

「レ、オ?」

リアが不安そうな声を出す。

言わなければ……そう、思うのに。リアがレオを好いてくれているということはわかる。でも、それは……レオにすべてを委ねることとイコールではない。

「俺のこと、好きか?」
「え……?」

突然の質問に、リアが問い返す。レオはリアの頬に片手を添えた。

「俺は、好きだよ。お前のこと、愛してる」

そう言って唇を寄せると、リアは目を瞑って受けとめてくれた。ゆっくりと触れるだけのキス。その熱が離れるとリアはそっと目を開けた。

「私も、好きだよ。レオのこと。だからそんな顔しないで」

レオは、どんな顔をしていたのだろう。リアの瞳から涙が零れて、ギュッとレオの腕を掴む。
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