風に恋して
「俺の、せいだな……」

いつだって、リアを苦しめてしまうのは自分だ。初めてリアに想いを告げたときも、記憶をなくした今も、エンツォとの因縁に巻き込んでしまっているこの瞬間も。

一番安全だと思われた場所から連れ去られ、記憶をなくし、恐れていた力を無理矢理引き出されて。

「……レオ様」
「っ、ぅ……」

セストがレオに声をかけ、レオがハッと現実に戻ってくる。

苦しそうな声にベッドを見ると、リアが眉を顰めている。まだ意識はないようだが、すでに大量の汗をかき、呼吸もつらそうな様子を見ると、すぐに目覚めてしまうだろうと思えた。

「カタリナ、水を」
「は、はい」

呆然と今までの出来事を見ていたカタリナは、レオに声をかけられてようやく我に返った。レオはカタリナから水を受け取り、ベッドサイドの机に置く。

「セスト、今日の残りの執務はここに持ってこい。カタリナ、今日はもういい」
「承知しました」
「は、い……」

セストとカタリナはそれぞれレオに頭を下げると部屋を出て行った。
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