蒼恋物語 【教師×生徒の恋バナ第一弾】
ドアをノックする音が聞こえた。


「誰だよ…。」


蒼先生は私を抱きしめる腕を解き、不機嫌そうな声で呟くと、ドアに向かった。



入ってきたのは、保健医だった。


「蒼先生、傷の手当てした方が良いですわ。

痕が残ったら、大変ですものね。」


いつもの生徒たちに対して話す時とは、声色を変えて言った。



「ちょうど良かった、まず余合を診てください。」



保健医は、何でアンタがここに?っていうような目で見る。



「彼女のは、自業自得じゃないの…。」


「僕が叩いておいて言うのもどうかと思いますが、女の子なんですよ?

顔が腫れたまま、放っておくなんて…。」


「蒼先生、お優しいのね。

心配しなくても大丈夫ですわ。

冷やすものを持ってきます。」


そう言うと、保健医は部屋を出て行った。






ふぅ…とため息をついた蒼先生は、私の方を向いた。


私は、思ったことを口にした。


「あの人、先生には優しいのね…。」


「そう、みたいだね。

だけど、あの保健医は苦手なんだ。

あの人が帰るまで、ここにいてくれる?」


「それはいいけど…どうして?」


蒼先生が答えようとしたとき、保健医が戻ってきた。







 
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