この声が届くことはもう…。


「―――…おい如月ィ・・・
お前はアメリカ行って
日本の挨拶忘れたかぁ??」

少し怒り気味に、
先生が翔から如月さんを
引き剝がす。

むぅ~と頬を膨らまして
怒ったような顔を先生に向けるが
軽くスルー。

ほらっと言うように
先生は顎で生徒を指した。

「如月麗華ッ。翔の婚約者ね!」

先生へ向けた顔とは違い
にっこりスマイルを向けてきた。


……ん??

「今…なんて…?」

私がボソッと呟いたことに反応して

「ん~?私は翔の婚・約・者♡」


周り皆が黙り、
教室が数秒固まった。

…なっ何ですとぉー!?

「っちょ、麗華!?」

「言っとかないと取られちゃうからね」


静まり返った教室で、
翔と如月さんの声が
微かに聞こえる…。


みんなが固まった。


えぇっと…

こ、ここ…婚約?

コンニャクの間違いじゃ…?

…………ぇ…?

≪え゛ぇ゛ぇぇぇぇー!!??≫


教室にいた全員が発狂した。
もちろん私も。

「えっ婚約ぅ!?」
「登校初日から何これぇ!!」
「翔、どういうことぉ」
「おいおい」

みんな一斉に状況を整理し始める。

「っていうかさ…」

そこで1人の男子が口を開けた。

< 9 / 11 >

この作品をシェア

pagetop