跡目の花嫁さん~家元若旦那の極上のキス~
他の人と付き合ってる誠一郎に泣いてすがる執着力はなかった。



私の中でも知らずに誠一郎との仲は終わっていたのかもしれない。



私たちを虜にした煮込みハンバーグも美味しくなかった。



唯の肉の塊にしか思えず…何だか…食欲も湧かず、半分残してしまった。


二人で店を出てネオンの煌くの街角に出た。



「桃…ゲンキでなっ」



誠一郎は私に笑顔で軽く手を振って、踵を返して、雑踏の中に消えた。



もう、誠一郎とはこれでおしまい・・・



そう思うと何だか居てもたってもいられなかった。



やっぱり…私はまだ、誠一郎の事…



好きなんだーーー・・・







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