跡目の花嫁さん~家元若旦那の極上のキス~
家元の妻として母は自分の経験で、細かい気配りを桃にしてくれた。

舞子さんのコトは気になったけど、俺は桃と結婚する。
そのキモチは変わらない。

* * *



正月明け。


俺と桃は『氷見流本家』がある京都に新幹線で向かった。


毎年、本家で正月明けに行われる研究会への参加と本家の家元に桃を紹介する為だった。



江戸時代から続く老舗の和菓子屋で手土産を購入し、母さんがお世話になってる呉服屋に立ち寄った。



店の奥へと招かれ、一元では入れないVIPルームに案内される。



「この機会に桃も着物を幾つか…仕立てようと思って…」



「で、でも…」



これは母さんの命令だった…



「結婚すれば…着物を着る機会が増えるから」



躊躇する桃を何とか納得させて、反物を選ばせる。


「値段が書いてないけど」

< 154 / 203 >

この作品をシェア

pagetop