跡目の花嫁さん~家元若旦那の極上のキス~
「着物の値段なんて気にするな…」



桃は一般庶民だから、なんだか俺と金銭感覚が違っていた。



反物を持ってきた女性はクスッと笑う。



笑うなよっ!?俺は女性をジロッと無言で睨んだ。



「桃が選ばないなら俺が選ぶ!!」


俺は店先に並ぶ反物を見に行く。
桃に似合う色と柄の反物を選んで、奥の部屋に戻った。



桃は店の出した抹茶と八つ橋を食べ、寛いでいた。



「桃?お前…何してんだよ!?俺が一生懸命に選んでるのに」


「あ、ゴメン…和也の分もあるよ」


「…おい!?立てよ!!」


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