跡目の花嫁さん~家元若旦那の極上のキス~
俺は桃を立たせて、姿見の前で、選んだ反物を広げて、服の上からあてた。



「うん。これ、いいなぁーOK…次な…桃」


「沢山ない?」


「京都なんてめったに来ないし…いいじゃん。多めに仕立てておこう…金には糸目つけなくていいと母さんに言われた…」



「・・・」



桃の顔が引き攣る。



「次期家元の嫁なんだ…それなりのカッコしてないと門下生たちに陰口を言われる…。母さんは色々と影で言われたらしい。だから、言わせない為に…母さんが必死にお前に気を回してるんだ…黙って母さんの厚意を受けてくれ」



「和也…!?」



「わかった?桃」



「はい」


桃はようやく、理解し、積極的に反物を選び始めた。


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