跡目の花嫁さん~家元若旦那の極上のキス~
「失礼します…」


琴子様がお茶をお盆に乗せて、持ってきてくれた。



「仲睦まじい…おふたりをからかうんじゃあないわよ!嗣成…最近、彼女と別れたからって…」


「…母上…それは言わないでください!!」


嗣成さん、少しナーバスな顔に。


琴子様、俺たちの前にお茶を置き、嗣成さんの後頭部を盆で叩いた。


俺と桃は絶句。


「和也さんに桃さん…お気を悪くなさらずに…」



「あ、はい・・・」


嗣成さんは唇をへの字に曲げて、バツの悪そうな表情。


「ごゆるりと。また、嗣成が悪さをしたら、遠慮なくおしゃってください」



「え、あ…」


琴子様は部屋の空気を大幅に変え、出て行った。


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