跡目の花嫁さん~家元若旦那の極上のキス~
「くそっ」


嗣成さんは舌打ちして、ヤケになりながら、水仙を生け始めた。



「嗣成さん・・・」


「母上の言った通りだ・・・。俺は最近、彼女と別れた」


「原因は?」


「俺の浮気だが…」


「嗣成さんの浮気ですか…それは自業自得って言うか…」


「自業自得だ…」


俺は琴子様の持ってきたお茶を喉に通す。


「美味しい…さすがは本場の宇治茶…」


「和也さん、茶柱が立ってます…」

「マジで…ラッキーじゃん。桃」



「たくっ・・・お前らだけ幸せそうだな…」


負のオーラに包まれた嗣成さんは皮肉げな目つきで俺たちを見る。


< 163 / 203 >

この作品をシェア

pagetop