跡目の花嫁さん~家元若旦那の極上のキス~
こんな時に限って、誰も通らない無人の廊下。



「!!?」


すぐ近くあった部屋に連れ込まれた。



「ここは資料室…普段からみんなが出入りできるように…施錠はされてない…」



「あ、あのう…私…受付に…」



「少しくらい…いいだろ?桜瀬さん」



蒼井さんは私を奥へと連れ込んでゆく。



壁に沿うように棚が置かれ、山積みの資料。室内は紙の匂いに溢れ、湿った空気が漂う。



「あ、あ…蒼井さん!!?」



「どうして?昨日…合コンに来なかったの?」


薄暗い部屋に光る蒼井さんの瞳は獰猛だった。





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