跡目の花嫁さん~家元若旦那の極上のキス~
緑川さんが電気を点し、資料室の中は眩い光に包まれる。



「チッ」



蒼井さんは舌打ちして、私の唇から手を離した。



「あ、蒼井さん?」


蒼井さんは私を奥に放置して、逃走。



身の危険の恐怖感から、私の全身は粟立っていた。



その恐怖から解放されても、身体がしばらく動かなかった。



「桜瀬さん?」


緑川さん身体を縮こませて、しゃがみ込んでいた私に優しく話しかける。



「緑川さん・・・」


< 35 / 203 >

この作品をシェア

pagetop