跡目の花嫁さん~家元若旦那の極上のキス~
今日1日、隣で見ていた次期家元の顔の和也。



「和也…華道の世界…嫌いじゃないでしょ?部屋には花はないけど、観葉植物…沢山、置いてあったし…」



「嫌いじゃないよ…久しぶりに花に囲まれて感じた…俺…花は嫌いじゃあないって・・・凄く懐かしんじゃって…時間が経つのも忘れるくらい夢中になった」



「私にも華道教えてくれる?…遅いかな?」


「桃…いいよ~っ…桃は俺の世界に寄り添ってくれた初めての女だ。本当にありがとう。桃には優しく指導するよ」



おにぎりを食べ終えた和也は私の肩を抱き寄せた。


私たちの目の前には私の生けたラナンキュラスの花。


その花の匂いがあたりいっぱいに立ち込めた。







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