【BL】今日も恋に堕ちる



笑いかけそうになったけど、それじゃ話しかけるのと一緒だから、なるべく無表情を決め込む。


時間にすれば、ほんの二、三秒。


将吾は俺をジッと見て、そして………


ふわりと微笑んだ。



「―――っ」



その顔を見ると、胸がぎゅっとした。


人並みをかき分けて、真っ直ぐ俺の元に向かってくる。

将吾が近づく度、心臓がドキドキと脈打つ。



将吾の足は俺の目の前で止まった。



「――見つけたよ。キミが俺の恋人だ。そうだよね、葵?」
「…どうして?」
「気持ちは忘れないと言っただろう?さっき目があった瞬間、俺はまた葵に恋をした。」


人の感情って、際限がない。


だってこんなにも将吾が好きなのに。


もっと、もっと恋に堕ちていく。



「さぁ、行こうか。」
「どこ行くんだ?」
「どこ行こうか?」
「え?決めてきたんじゃねーの?」
「昨日色々考えたんだけど、結局俺は――葵が居ればどこでもいいみたい。」



ちょっと照れたように笑って、将吾は歩き始めた。


嬉しさとドキドキとで高揚した胸を抑えて、俺は将吾の背を追った。




< 41 / 59 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop