【BL】今日も恋に堕ちる
笑いかけそうになったけど、それじゃ話しかけるのと一緒だから、なるべく無表情を決め込む。
時間にすれば、ほんの二、三秒。
将吾は俺をジッと見て、そして………
ふわりと微笑んだ。
「―――っ」
その顔を見ると、胸がぎゅっとした。
人並みをかき分けて、真っ直ぐ俺の元に向かってくる。
将吾が近づく度、心臓がドキドキと脈打つ。
将吾の足は俺の目の前で止まった。
「――見つけたよ。キミが俺の恋人だ。そうだよね、葵?」
「…どうして?」
「気持ちは忘れないと言っただろう?さっき目があった瞬間、俺はまた葵に恋をした。」
人の感情って、際限がない。
だってこんなにも将吾が好きなのに。
もっと、もっと恋に堕ちていく。
「さぁ、行こうか。」
「どこ行くんだ?」
「どこ行こうか?」
「え?決めてきたんじゃねーの?」
「昨日色々考えたんだけど、結局俺は――葵が居ればどこでもいいみたい。」
ちょっと照れたように笑って、将吾は歩き始めた。
嬉しさとドキドキとで高揚した胸を抑えて、俺は将吾の背を追った。