ちいさな贈り物

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「果歩先輩。おはようございます」

次の日の朝、いつものように
学校に行くと靴箱のところで
男の子に話しかけられた。

「あれ?もしかして、昨日の?」

私は驚いて思わず男の子を
指差して答えた。

「はい、昨日告白した岡崎隼です」

男の子はにこっと可愛らしい笑顔
で言った。

「…岡崎くん?えと、何の用?」

私は靴を履き替えるタイミングを
逃したまま答えた。

「俺、昨日言いましたよね?諦めませんって。だから、まずは友達になってもらいたくて…ダメですか?」

「あー…友達はいんだけどね?私はあなたの事好きにならないよ」


うん、ここははっきり
言っとかないとね。

変な期待持たせたってダメだし。


だけど、岡崎くんは
黙ったまま。

慌てて続ける。

「あー、ほら!あなたには私なんかより、良い人がいるよ!私、年上だしね?」

「年下は嫌ですか?」

しゅんとした犬のように
私を見つめる。

「あ、いや、別にそういう訳じゃ…」

もー! どうしよう!





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