幸せである理由
隣にある幸せ
優しい腕の中は



寒さなんて感じなかった…



side・雫



突然抱き締められた私はなんで自分が馬鹿なのか…



そんなことは頭から抜けていた…




ブランコに座ったまま抱き締められている私は、蒼斗が膝立ちをしているせいか蒼斗の顔が近くにあった……



普段ならきっとドキドキしていた…




でも今は…苦しいよ…



突き放そうと手を蒼斗と自分の間に入れようとしたけど蒼斗の手に止められた…



「…っ…蒼…」


「……俺も…」







「俺も…お前が好き…」






え……?





蒼斗の口から聞こえたのは意味の分からない言葉だった。





「好きだ……」





呟いた声はスッと空に溶けていく…




今この世界には私と蒼斗しかいないみたいに静かだった…




「ずっと好きだった…………お前が俺を幼馴染みとしてしか見てないっ思っても……」




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