黒の森と、赤の……。/ ■恋愛シミュレーションゲーム□
俺は目の前の会話に本腰を入れるために、どう返事をしようか考えた。

まあ、素直に返事をするなら、ここは一度適当に返事をしたことをきちんと謝ったうえで、

『付き合ってる人なんていない』

…と言うべきだが、それには2つほど問題…というか、素直にそう言えない理由がある。


まず一つ目は、ここまでの会話で出来上がってしまった、この雰囲気。

こんな雰囲気の真っ只中で、

『さっきのは適当に返事しちゃったんDA☆』

…なんてばか正直に言えば、夏樹や小町屋から集中砲火を浴びせられそうだ。


そしてもう一つが、自分のプライド。

さっき小町屋から浴びせられた、

『こんなバカに彼女なんているわけないじゃない!』

の一言が、結構胸にグサッ!と突き刺さっていたのだ。

言われた瞬間、


…べ、別に、彼女なんて欲しくないし…!

…そ、それに、つくろうと思えば彼女なんてすぐつくれるし…!


…とか、実は思っていた。

…いや、今でも少しだけ思ってるんだけども…。


だからこそ、今のこの状況は、自分にとって好都合とも言えた。

なにせ、自分の失言とみんなの勘違いのおかげで、彼女いない歴=実年齢に終止符が打てるんだから。(もちろん、架空の終止符です。)


いろいろ長考し、周囲からの視線を集める中、みんなの顔を見ながら俺は…


【選択】

A:「ごめん…! さっきのは、適当に返事をしちゃったんだよ…」
正直にそう言った。
→【次のページへ】

B:「実は一年くらい前から、隣りのクラスの子と付き合ってるんだ」
プライドを優先させ、ウソをついた。
→【107】
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