実鳥森の少年の初恋
「花野君、よろしくね。
わたし、引っ越してきたばかりだから
この町のこと、いろいろ教えてね」
マイがにっこりほほえみます。

ジンは、なぜか顔が熱くなるのを感じながらも
うれしくて、
「うん、いいよ。よろしく。ジンって呼んでいいよ」

「じゃあ、私もマイでいいわよ」

「商店街の中の新しい花屋さんだよね。
その、今日いっしょに帰ろうか?町を案内するよ」
言いながら、あ、急に誘ってびっくりしたかな?
どうしようと少しあせっていると

驚いた表情のマイでしたが
「ええ、ありがとう。うれしいわ。
案内よろしくね」
ほがらかに答えてくれます。


顔が赤くなっていくジンです。
その後の授業は、まったく手につかずに
上の空になってしまっています。
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