続・たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても
「俺のことは遅すぎたけど、ソンミン兄とは今からでも遅くないんじゃないんですか。
...もういいです。
どっちにしたって、今さら兄さんを裏切れませんよ。」


大して知らない男ならともかく、わざわざ兄さんの好きな人を奪う気もないし、奪えるはずがない。

この人と同じように、ソンミン兄だって大切な存在だから。


「そうだね...、聞かなかったことにしておいて。
次の恋は手遅れにならないように、お互いがんばろうね。」


何がお互いがんばろうね、だ。

だめだ...、このままじゃ完全に不完全燃焼になる。




「すみません、やっぱり一度だけ裏切ります。
さっきの聞かなかったことにしておくんで、今から俺がすることもなかったことにしてください。」


防犯カメラがないことを確認してから、すばやく引き寄せて、唇を重ねた。

兄さんごめん、と心の中で謝りながら。

今だけだから、どうか今だけメンバー以上の気持ちで触れることを許して。
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