続・たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても
「兄さんがいなくなったら、メイリンのことも......何かあったら助けてあげてね。
意外と弱いところあるから」


なんでメイリンだけ個人指名なんだよ。

結局あいつのこと気にしてるんじゃないか。


「兄さんにお願いされなくても、仲間なんだから何かあったら助けますけど。
言いたいことあるなら言っておかないと、他の男のところにいっても、それは俺にはどうしようもできませんよ」


こんなこと俺に言われたくないだろうが、言わずにはいられなかった。

メイリンは待てと言われたら、二年でも五年でも待ってるだろう。

しかしそれではあまりにもかわいそうだ。

全く望みがないなら仕方ないが、少しでも気持ちがあるなら考えてやってほしい。

なんだかんだ俺はメイリンの味方なんだ。


「......うん。明日メイリンと二人で出掛けるんだ。
その時に今の気持ちを話そうと思ってる。
まだ迷ってるけど、他のメンバーとは違う意味でメイリンのこと大切だってことは本当なんだ」


今の気持ちがどんなものか、何の話をするのか分からないが、俺が口をはさむ必要もなかったかもしれない。

兄さんのまっすぐな目を見て、なんとなくそう感じた。
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