帰宅部にお任せを
「な、何を馬鹿なことっ…。下僕のくせにそんなこというわけないでしょう!?」
お嬢様は無理に笑い飛ばそうとしている。
「嘘じゃない、ってさっきから言っていますよ」
楓がそれをさらに追い詰めた。
するとお嬢様は顔を伏せた。
どんな表情をしているかなんて、見えないけどわたしは何となくわかる。
お嬢様の本当の気持ちがわたしの思い通りならば。
「…丸山 千春(ちはる)、どういたしましょう?」
丸山さんの名前を出し、楓は静かに訊いた。
お嬢様を答えへ導くように…。
顔を上げたお嬢様の瞳にはお嬢様らしい輝きも、何もなかった。
「…復讐、して頂戴……」
楓の手には1万円札が3枚、握らされた。
「帰宅部にお任せを」
楓の口端は綺麗に上がった。
同時に、一つの依頼がスタートを切った。