secret name ～猫と私～

別に、社内恋愛に否定的なのではない。
ただ、自分がそうなりたくないと思っているだけで。

実際、友人の香里は社内恋愛の末に結婚しているし、この部署の既婚者の中にも、そういう人はいる。

他人なら素直に祝福出来るのだが、自分となれば別だ。
公私混同など、したくなかったのに。

セッテが会社のみの関係ならば、また違ったのだろう。
彼は食事などのサポートも請け負ってくれているので、必然的にプライベートな空間に入り込んでくるのだ。
向こうがどう思っているのかは分からないが。

（きっと、“仕事やし”って言うのか。）

彼は徹底して、公私混同しない。
佳乃の食事を作るのも、一緒に通勤するのも、全て彼の“仕事”。