secret name ~猫と私~
思ったよりあっさりと終わった代表への報告のあと、足早に自室に帰る。
今は本当に契約を解消するのか不明なため、契約者に連絡をすると言われただけだった。
しかし、契約者と飼い主が別なので、確認は明日になるからと、保留になったのだ。

セッテの部屋に、当然ノーヴェは居ない。
彼女は自分からこの部屋には来ないからだ。

モノクロで統一された広くない部屋には、元々物が少ない。
誰もいないので、余計にがらんとして見える。
さらには、引っ越し準備のための段ボールが部屋の片隅においてあるため、殺風景だった。

買ってきたものをキッチンの横にある小さな冷蔵庫に入れて、手早くシャワーを浴び、ラフな部屋着に着替えてから、食堂に向かうことにした。
今日は古くからの悪友であるドゥエには会いたくないなと思いながら、そう遠くない食堂へ着いた。

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