背中を合わせて【完】
「ここまで強制連行しちゃってごめんね。」
お姫様だっこしてここまで連れてきたことを言っているんだろう。
笑って話す男と一瞬目が合って、またさっきのことを思い出しそうになる。
未夜は慌てて下を向いて流れる水の方に視線を向けた。
「ちゃんと冷やして、手も洗いなよ。」
そう言い残すと、未夜を置いて男は公園を出た。
言われた通りに手も洗う。
かすかににじんでいた手のひらの血をきれいに洗い流すと、あまりたいした傷じゃないことがわかった。
お姫様だっこしてここまで連れてきたことを言っているんだろう。
笑って話す男と一瞬目が合って、またさっきのことを思い出しそうになる。
未夜は慌てて下を向いて流れる水の方に視線を向けた。
「ちゃんと冷やして、手も洗いなよ。」
そう言い残すと、未夜を置いて男は公園を出た。
言われた通りに手も洗う。
かすかににじんでいた手のひらの血をきれいに洗い流すと、あまりたいした傷じゃないことがわかった。