背中を合わせて【完】
「香奈は好きな場所で寝てていいよ。」



零にそう言われたけど、香奈はあまり眠くなかった。


香奈はもともと睡眠をあまりとらない。


だからいつも、みんなが寝静まってから一人で時間をすごして寝る。


朝になると先に寝た誰よりも早く目を覚ます。


今だって3人はぐっすり眠っているけど、仕事があることも含めて朝起きるのは香奈が一番早いんだろう。


一人で過ごす時間は、好きだったりちょっと淋しかったりするけれど、そんなこと誰にも話さない。


そんなこと、いつものことだから。



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