幼なじみと付き合った場合。
「あ……あのー、大丈夫?ケンカなんてしないで……」


今までずっと、黙ったまま事の成り行きを見守っていた大学生が、恐る恐る話しかけてくる。


「俺らの問題なんで、口挟まないでもらえます?」


冷たいようだけど、部外者が入ってきたらますますこじれそうだ。


大学生は頷くと、そのまま部屋の方へと戻っていった。






彩花は俯いたまま、歯をくいしばって黙ってる。



……このまま一緒にいても、ケンカがまたヒートアップするだけだな。


俺は彩花を残して、部屋へと向かうことにした。


胸の奥に、妙なわだかまりが残る。


突き飛ばした俺も悪いけど、


あそこまで言われて俺も腹が立つし、ここは怒っていいとこだよな?


フザけんなよ……。


好きだから心配なんだし、ヤキモチも焼くし、


今どこでなにしてるのか、知りたくなる。







それがなくなったら……


ただの友達じゃん。


それに、幼なじみっていう枠がなきゃ……


俺は、お前の側にもいられないわけ?



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