幼なじみと付き合った場合。
頭にカッと血がのぼり、思わず彩花の体を強く押してしまった。


よろけて壁に肩をぶつけた彩花は、俯いたまま言い返してこない。







「…………」


「悪い……押すつもりなんて、なくて……」


彩花の顔を覗きこもうとしたら、目に涙をいっぱい浮かべた彩花の顔が目に飛びこんできた。


「もぉ……ヤダ……伊織といると、疲れる……。

最初っから……好きじゃないし、あたし……伊織の嫌なところしか、目につかない」


それにはさすがの俺も、返す言葉が見つからなかった。


最初っから好きじゃないはわかってたけど、


嫌なところしか、目につかない……って、


最悪じゃん。







俺がなにしてもムカつくってことかよ……。


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