幼なじみと付き合った場合。
2階って言ってたよね……。



あたしたちはとりあえずなにも買わずにすぐ2階へ上った。



階段をのぼったところに、友達が立っていた。



「彩花!ほらあそこに……」



友達が指すのは、一番奥の席。



金髪の男ふたりに囲まれ、松本さんらしき女の子が座っている。



……ホントだ、あれ…松本さんだ。









「…俺、話してこよーか?」



あたしがなにか言うより先に、伊織が歩きだした。



「よろしく……あっ!バカなこと言って、アイツらの感情を逆なでしちゃダメだよ?」



「うっせぇ」



伊織はそう吐きすてると、そのまま松本さんの方へと近づいていった。



あたしと友達はそのうしろすがたを、



祈るような気持ちで、見送っていた。






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