幼なじみと付き合った場合。
「だから……お願い」


「…………」


「あたしたちはいつでもデートできるし……松本さんに、一日ぐらい伊織を貸してあげてもいいかなって……」


「……は?」


そこで伊織の表情が一変した。


うわ……言い方が、まずかった!?








「お前さー……俺を松本に貸すって、なんだよ……」


「あ、あのっ……だけどあたしも……色々考えた上で」


「お前の場合は、松本にいい顔したいだけだろ?」


「そっ、そんなんじゃない。松本さんのお母さんに、伊織が彼氏だって、仲がいいとこを見せてあげて、安心させてあげられれば……」


「彩花……お前、自分の言ってること……わかってる?」


……え?


さっきまで怒っていた伊織は、なんだか諦めたような、失望したような表情であたしを見てる。



「わかってるよ!?松本さんの気持ちが、痛いほどわかるから、言ってるんじゃない」



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