☆咲川さんの恋愛事情☆
俺がムスッとそう言うと、竜也は意外そうな顔をした。
「へえ。お前が?もう?良かったな。寝てるだけだと思ってた」
「失礼な…。その子のイスから立ち上がった音で、俺は目が覚めたんだよ」
「…なんだそりゃ。つか、やっぱ寝てたんじゃねぇか…」
呆れ顔の竜也。
モチのロン、寝ますともさ。
「……で。どんな奴?…もしかして、女の子?」
「そう。隣の席の。可愛らしい子だったよ」
「陽が女の子と仲良くなろうとするなんて…。意外かもしれない」
「…やましいことなんてないからね?」
こいつ、なにか勘違いした顔をしている…。
ちょっとニヤついてきた。
「…へーえ?」
「………。俺がどんな子と仲良くなろうが、お前には関係ないからな」
「ひどいなあ、陽くーん。俺にも紹介してくれよ。俺も友達になる!」
「……お前、彼女いるって言ってなかった?」
「いるよ♪超かわいい彼女が♪だから、友達だって」
「はぁ…。余裕ですね」
「もち!ラブラブですから。今度会わせてやるよ。……惚れんなよ?」
「はいはい。惚れませんよ」
…まったく…。
彼女のことになると、すぐめんどくさくなるな、こいつは。