☆咲川さんの恋愛事情☆




竜也は、しばらく黙ったあと…また喋りだした。




「夏希ちゃん…偉いんだよ。俺が先生につかまって資料とじやらされるとき、『わたしもやります』…って…」


「…だから夏希も、この時間にまだこんなところにいたのか…」





…知ってる。



夏希はそーいうお人好しだって。





…よーく知ってるよ……。










──ガタンガタン





もう駅は見えない。





あいつも見えない。









でも、聞こえなかった彼女の“声”が、俺の頭でリピートする。




聞こえなくても…わかった。










『陽』








確かに、そう言ってたんだ。




< 50 / 66 >

この作品をシェア

pagetop