不細工なあたし
「バスなの?」
「あ、うん…」
俺もなんだ、と言う彼がどうしてここにいるのか分からずしばし呆然と彼を見てしまう。
……カラオケ行ったんじゃないの?
「なに?なんかついてる?」
見つめすぎたらしい。
可笑しそうに村瀬くんはそう訊いてきた。
「ううん…、村瀬くん、カラオケ行かなかったの?」
「あー、うん」
「なんで?」
「……じゃあ、そっちこそなんで?」
逆に訊き返されて、言葉に詰まってしまった。
別に大した理由があったわけじゃなく、行かなくてもいいならいいかと思っただけだったから。
「……なんか、城崎さんが合コンに来るなんて、意外だった」
ポツリと、呟くように村瀬くんがそう言った。
「あ、いや…、実は友達にどうしてもって頼まれただけで、出会いが欲しいとかそんなつもりで行ったわけじゃないっていうか…」
なんでこんな言い訳みたいなこと言ってるんだろう。
適当にかわしとけばいいのに。