不細工なあたし
かあっと顔が熱くなった。
最後の言葉を、耳元で囁いたりするから。
「も、もういいよ!!わかったからっ!信じるから!」
あたしは恥ずかしくなって、ぐいっ、と両手で彼の身体を押し返した。
「もういいの?」
「いい!!」
先程の苦し気な表情とは打って変わってどこか悪戯っぽい顔に、あたしの胸はきゅんと音をたてた。
「……じゃあ、携帯貸して?」
「へ?」
にっこりと笑って手をこちらに差し出している村瀬くんに、首を傾げた。
「アドレス、交換しよう?」
「あ、どうぞ」
あたしが携帯を渡すと、村瀬くんは嬉しそうに笑って、手早く操作する。
「……はい。ありがとう」
返された携帯電話は、彼の手の熱で、少しだけ温かくなっていた。
「返事、決まったら連絡ちょうだい。……待ってるから」