不細工なあたし

「……全っ然、気付かなかった……」


なぜかショックを受けてる早紀。

そんなに気付かなかったことがショックなの?


「あのー、早紀さん?」

「えー?あ、そうだ、相談だったね。それで、何が解決できないの?ミコだったら、そういう気持ちがないならその場でスッパリ断ってそうだけど」


そう言って、早紀はココアをすすった。


「……」

「え…。ま、まさか、断ってないの?ってことはミコ、村瀬くんのこと好」

「ちっ、違う!!」


驚いたような早紀の言葉が途端に恥ずかしくなって、あたしは思わずぶんぶんと首を振って叫び、早紀の言葉を遮っていた。


「え、違うの?」


意味分かんない、と早紀は眉を顰める。


「……違う、っていうか。その、なんと言いますか」


もごもごと口ごもるあたしを早紀は不審そうな目で見ていたが、やがて合点がいったようで、呆れたような顔をした。


「はー、なるほど」

「……何でしょう」

「……ミコ、もしかして自分の気持ちが分からなくて私に相談しに来た?」


あまりにそのまま言い当てられて、あたしは言葉を失った。


「……図星ね」

「はい……」


< 33 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop