不細工なあたし
「……全っ然、気付かなかった……」
なぜかショックを受けてる早紀。
そんなに気付かなかったことがショックなの?
「あのー、早紀さん?」
「えー?あ、そうだ、相談だったね。それで、何が解決できないの?ミコだったら、そういう気持ちがないならその場でスッパリ断ってそうだけど」
そう言って、早紀はココアをすすった。
「……」
「え…。ま、まさか、断ってないの?ってことはミコ、村瀬くんのこと好」
「ちっ、違う!!」
驚いたような早紀の言葉が途端に恥ずかしくなって、あたしは思わずぶんぶんと首を振って叫び、早紀の言葉を遮っていた。
「え、違うの?」
意味分かんない、と早紀は眉を顰める。
「……違う、っていうか。その、なんと言いますか」
もごもごと口ごもるあたしを早紀は不審そうな目で見ていたが、やがて合点がいったようで、呆れたような顔をした。
「はー、なるほど」
「……何でしょう」
「……ミコ、もしかして自分の気持ちが分からなくて私に相談しに来た?」
あまりにそのまま言い当てられて、あたしは言葉を失った。
「……図星ね」
「はい……」