不細工なあたし

「まず、今までの話聞いた率直な感想を言うとね」

「うん」


早紀は、なぜか先程まで座っていた場所ではなくあたしの隣に腰を下ろした。


「ミコは村瀬くんのことちゃんと好きなんだと思うよ」

「なんでそう思うの?」


自分でもわかんないのに。


「そんなのなんとなくだけど。でも、ミコがそこまで他人に執着するとこ私初めて見たし。村瀬くんのこと話してるとき、ミコ可愛い顔してたもの」


「か、可愛いって、嘘」


「嘘じゃない。……で、私思ったんだけど、ミコって化粧したりおしゃれしたりしたとこ、誰かに見せたことないでしょ」


「え!?なんで分かるの!?」


なにか努力しても、家の鏡の前で落胆して、結局いつもと同じになっちゃうんだよね。


「いや、だって私でさえミコの化粧したとこ見たことないしね。一緒に買い物行っても、ちょっとでも女の子っぽいものだと可愛いと言いつつ絶対買わないし。それって、自分の顔に自信がなかったからなんだって思ったら、納得できた」


そう言って、早紀はポーチのチャックを開けた。


中にはキラキラのコスメたち。



「……ミコ。なにも努力しないで可愛い子なんて、ほんの一握りだよ。みんな、いろいろ努力してるの。私だって、色々化粧やら何やらで誤魔化してるしね。…だから、はじめから諦めてしまわないで」


「早紀」

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