片恋い想い。
「ふーん」
なんなんだよこの馬鹿兄貴は
あ、あれ?
高橋どこに行っちゃったんだろ?
目を離した隙に見失った…
「陵ならたぶん、いつもの場所だぜ。もう試合ないみたいだし♪」
「…別に聞いてないよ」
人の心の声を勝手に読むな!
何しに来たのか、いつの間にか和樹はもういなかった
亜依達も、体育館に戻っていったから私は今一人だ
行ってみようかな…
足早に非常階段に向かった
え…でも、何を話すんだ今更…
扉の向こうに高橋がいるのは分かる
ドアノブに手を伸ばしては、自分の胸に引っ込める
なんて言えばいいの?
あの日からずっと避けてきたツケかな?
どうやって話したらいいか分かんない
「…やっぱり…」
…無理だ
もう、帰ろう…
私は来た道を戻って行った
憂鬱だった