片恋い想い。






いや…


怖い…


「腕、かしてみ」


手を差し出す篤也に私は手を出さない


「ったく」


苛立ちながら、手を取り紐を解いてく


あーあ、体操服で帰らなきゃだ


「…ありがと」


「…今日は素直なんだな」


怖かった…から


本当に最後までヤられちゃうかと思った


怖くてたまらなかった


「これ着ろ」


「いや」


渡された体操服


そんなの着たらまた勘違いされる


「着ろ!」


「うわぁ!?」


頭から体操服を被せてきた


漂う香りは篤也の匂い


「何すんの!」


「さっさと出るぞ」


あ…


反射的に掴まれた腕を引っ込めた


だめだ


さっきまでの恐怖が…


「…行くぞ」


私は部室を出て行く篤也の三歩 後ろを歩く




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