片恋い想い。



高橋は私のことどんな風に思ってるんだろう?


少しは見てくれてる?


タッタッタっと床を打ち奏でる音が近づいてきた



「おまたせ咲良♪」


「りゅー♪」



金の髪を揺らして咲良に飛びつくのは、整った顔をした龍君だ


何だかんだ仲良しだなあー



「行くぞ、梨菜」


「た、高橋…!?」


「ぼーとしてっと、おいてくぞ♪」


「ま、まって!」


のばされた手を強く掴む


あ、…―


触れた指


「龍たち、羨ましいよな…」


「うん…」


私も、高橋とあんな風になれたらって思ってるんだよ



恥ずかしくて言えないけど



伝えたいことはたくさんあるのに上手く言葉に出来ない



こんなに近い距離にいるのに…




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