片恋い想い。
*梨菜 side*
「冗談、…梨菜は妹みたいなもんだ」
妹…
一番、聞きたくなかった言葉
なんで?
妹なんかじゃ、やだよ
涙ぐむ瞳を下に向けて、涙を抑える
高橋の前で泣きたくない
「そ、そうだよね…変なこと言って、ごめんね…。じゃ…」
逃げ出した
あーあ、振られちゃった
少しは自信があったんだ、こんな私でも
友達どころか“妹”なんて…もう、どうすることも出来ないじゃん
教室にある鞄を手にとって校門をくぐった
気づかれないようにする暇なんてなかったから、皆察してバレてるかもしれないな…
今は、それどころじゃない
悲しくて、苦しくて、どうにも出来ない
希望が見えないのだ
光が、目指す場所が、なくなった私はどこへ行くこともなくただ宛もなく歩き続けた