片恋い想い。






照れたような言葉




「ありがと、篤也」




「…女として、お前が好き」




「え?」




ビックリして振り向いた




全然気づかなかった…




篤也、私のこと好きなの?




言葉が出てこない…




俯いていると、不意に顎をつかみ上げられた




そして、唇を盗まれた




一瞬、時が止まったかと思った




触れた二つの唇が離れると、篤也は顔をまっ赤にして私の瞳を捕まえて離さない




「…好きだ」




「え、えっと…私…」




「分かってる。陵が好きなんだろう?だから、付き合ってとか言わないし。だけど知っててほしかったんだ…」




「あ、つや…」




なんで、そんなこと言えるの?




なんで、そんなに強いの?




気づけばまた、私は涙を流していた





それを見た篤也は何もいわずに部屋を出て行った






< 74 / 104 >

この作品をシェア

pagetop