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男はそこら辺にいる、不良少年の一人だった。

休まずひたすら走ったせいで、喉が渇き掠れた声を出す。


「人違いじゃ、ねえのかよォ…ッ!」



追っていたのもまた少年で、片手には金属バットを持っていた。
裾の長い、パーカーのフードを深く被り、追いかける。



だが、不良少年が角を曲がった時、少年は走る速さを緩めた。


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