スイートポテト・フィロソフィア

「クロー。カロリー消費しにカラオケでもどう?」


「いいね! それも奢ってくれるの?」


「バカだろ。それは、さつまいも限定サービスだ。しかも気まぐれ」


「ますます好きになりそうだわ、さつまいも」




秋といえばさつまいも。


栗じゃなくて、さつまいも。


カボチャでも柿でも何でもなくて、さつまいも。



これ、あたしの中では絶対の常識。



何となく視線を落とすと、同じリズムで踏み出す影が見えた。



「ねぇ、景。秋だからさ、ドリンクバーにさつまいものソフトクリームあるかな?」


「いや、ないんじゃね? さつまいもって、どっちかっていうと完全にノーマル外れてるから」


「それ、あたしが変人って言いたいの?」


「よくわかってんじゃん。ま、そのクロと付き合う俺だって正真正銘の変人だけどな」



そんな景とあたしを、エビ色の夕焼け空が、ほんのりと染めてくれる。



さつまいもの美味しい季節には、そんなことだって愛しく思える。



これって何だか、すごく不思議だ。






END

< 23 / 24 >

この作品をシェア

pagetop