~君という光~
雪がゆっくりと地面に積もる。

あたしはそれをずっと見ていた。悠のことを思い出しながら。

30分もすると雪はふかふかのベッドみたいな厚さになるまで積もっていた。

あたしはあたしの体に積もった雪を、思うように動かない手で振り払い、雪のベッドに横になった。

何も感じないあたしの皮膚。

冷たい。寒い。お腹がすいた。のどが渇いた。

そんなこと感じない。

ううん、感じないようにしてるんだ。

あたしは上からゆっくり降ってくる雪を見つめながら、まぶたを閉じた。
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