猫が好き!


 慌てて手も足も突っ張って離れようとすると、ベッドから落ちそうになったシンヤが逆にしがみついてきた。


「うわっ! そっちこそ、なんで?!」


 腕を突っ張ったまま、真純はシンヤを凝視する。
 どうして一緒に寝ているのか、全く記憶にない。

 再び同居する事になったシンヤの就職祝いで、ゆうべ一緒に飲んだのは覚えている。
 だが、いつ、お開きになったのか、そもそも、どれだけ飲んだのか覚えていない。

 当然、いつの間にベッドに入ったのかも。
 パジャマに着替えているのが、更に不安でしょうがない。
 シンヤは飲んでいた時と同じ格好だが。

 シンヤがしがみついていた手を緩めて、小さくため息をついた。


「やっぱ、記憶飛んでるんだ。かなり飲んでたもんね」
「……私、そんなに飲んだの?」
「おまえ弱いから飲むなって、僕の分まで注ぐ端から取り上げて飲んでたよ」
「う……」

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