猫が好き!


 正気だったら絶対にあり得ない、自分の暴挙に呆れて真純は絶句する。

 シンヤは表情を緩めて、再びため息をついた。


「本当に全然、覚えてないんだね」


 そして記憶にない、ゆうべの経緯を教えてくれた。

 さすがに飲み過ぎだと判断したシンヤに促され、真純は自分で部屋に戻った。
 そして自分でパジャマに着替え、部屋を出て行こうとするシンヤを、一緒に寝てくれと布団に引きずり込んだらしい。

 あまりの醜態に、顔から火を噴きそうな気がして真純は俯いた。


「いきなり目の前で脱ぎ始めるし、焦ったよ」
「え……」


 パジャマの下はパンツ一枚だ。
 確かにいつも寝る時はそうだが、着ていたものは全部脱ぎ捨てたらしい。
 しかもシンヤの目の前で。

< 152 / 354 >

この作品をシェア

pagetop