猫が好き!


 真純もカフェを出て家路につく。

 瑞希の言葉が頭から離れず、なんだか胸がモヤモヤした。

 別に出し惜しみしているわけでも、もったいぶっているわけでもないが、一線を越える事にこだわる必要もないんじゃないかと思う。

 でも部屋に鍵をかけるのは、やめようかなと思った。
 シンヤも気にしていた。

 シンヤにも説明した通り、寝付きが悪いので途中で目が覚めたら、もう一度寝入るまでにかなりの時間がかかるのだ。
 そして翌日に支障が出るのは困る。
 本当に他意はない。

 シンヤの気持ちを考えてないわけではない。
 けれどそれを考えるたびに、ちょっと不安になる。

 社内でも人気者のようだが、シンヤなら、もっと若くて素直でかわいい女の子が、周りにいくらでもいるんじゃないだろうか。

 どうして自分なのだろう——と。

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