猫が好き!


 進弥が一喝すると、掲示板は水を打ったように静かになった。
 本物の”シンヤ”を知っている常連は、どんな痛い目に遭うか想像がつくからだろう。
 かつてシンヤに執拗に絡んできた奴が一人、実際に痛い目に遭っている。

 少ししてダッシュが揶揄するように書き込んできた。



ダッシュ: お見事。さすが本物。
シンヤ: おまえ、クリスマスに何を企んでる?
ダッシュ: 世界征服v
シンヤ: ふざけるな。
ダッシュ: マジだけど? まあ、とりあえずは日本掌握かな。彼女がいれば不可能じゃない。
シンヤ: 彼女?

(ハルコの事か?)

ダッシュ: オレの彼女、深窓の令嬢なんだ。気位が高くて身持ちが堅くて、全然いう事聞いてくれないんだけど、この間ようやくプレゼントを受け取ってくれてさ。もうじき彼女はオレのものになる。

シンヤ: おまえの厨二な妄想が実現するほど世の中甘くないんだよ。オレの名前で勝手な事させるか!

ダッシュ: おもしれぇ。阻止してみろよ。クリスマスまでは待ってやる。

シンヤ: そんなに待たせるか。


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