猫が好き!


「吠えないし、咬まないし、御主人様には絶対服従。躾の行き届いたいい子だよ」
「本当に絶対服従?」


 からかうような調子で言いながら、真純は振り返る。
 目が合うとシンヤは視線を外して、目を泳がせた。


「えーと、大筋では」


 困惑したように言い淀む様がおかしくて、真純はクスクス笑った。


「心配しなくても無茶な命令はしないよ。私は”いい人”なんだし」
「そうだね」


 シンヤは苦笑を返した。

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