猫が好き!


 いっそ何もない方が掃除は楽なのだろうが、家具類は元々瑞希が使っていたものが、そのまま置いてある。

 リビングにも立派なソファの四点セットが置かれていたり、壁には何十型なんだか真純には判別できない、巨大な液晶テレビが埋め込まれたりしていた。

 真純はレジ袋をローテーブルに置いてソファに腰を下ろし、入口で立ち尽くしているシンヤを手招いた。


「こっち来て座れば? 一緒に飲もうよ」
「あ、うん」


 シンヤは入口の壁際に荷物を置いてやって来ると、隣に座った。

 真純の渡した缶ビールを受け取りながら、シンヤがおずおずと提案する。


「僕、掃除係になろうか?」


 缶を開けようとした手を止めて、真純はシンヤを真っ直ぐ見つめた。

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